赤ら顔・酒さ

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現在、院長は「酒さ、赤ら顔」の治療を、より完全に、治療期間も短くできるよう日々研究しております。そのため、美容液のような感覚で塗りながら顔の赤みを落とせるクリームの開発、皮下に拡張してしまった血管を縮小させるための元あるVビームレーザーに加え、ポテンザというレーザーの導入、抗酸化を抑えるためのサプリメント指導、また、腸内細菌レベルからの治療、漢方薬における「酒さ、あから顔」の治療に対し、より高いエビデンスのための実験などを行っております。治療は日々更新しております。

酒さ、赤ら顔の治療は、確かに虫刺されの治療などとは違い、時間がかかります。しかし、多くの方が治療を卒業され、晴れ晴れしいお顔で帰られます。一緒にがんばりましょう。

酒さの治療を希望される患者さまへのお願い

患者さまへ、より良い治療法をご提案するために、初診の際にこれまでの治療経過が分かる資料をご持参ください。

赤ら顔、脂漏性湿疹、酒さ、酒さ様皮膚炎

Vビーム

脂漏性湿疹は、内分泌異常を基盤にし、生後6ヶ月までの新生児と思春期以降にその活動が活発化してしまいます。結果、おもに顔にかさかさと赤みべたつきなどを生じてきます。治療としては、規則正しい生活、十分な睡眠、精神的ストレスの除去、および糖分が少なく、ビタミンB2、B6、繊維の多い調和のとれた食事をとる、などがあります。

酒さ(顔のほてり、乾燥)Rosacea

酒さ(しゅさ)とは

酒さ(しゅさ)とは原因不明の体質的な病気であり、気温の変化や熱がこもること(たとえば日光に長くあたる)、あるいは精神的なストレスにより誘発される顔(特にほほ)の一過性のびまん性紅斑が初発症状で、やがて一過性のびまん性紅斑は持続性となり、腫脹や毛細血管の拡張を伴ってきます。酒さの紅斑に触れると熱感を感じます。さらに持続性紅斑内部にニキビに似たぶつぶつ(丘疹、膿疱)が多数できることもあります。酒さは一般の方にはなじみの無い病名と思いますが、実は子供から高齢者まで幅広く多勢の患者さまが存在します。また、大多数の方は症状が軽く、湿疹やアトピー性皮膚炎、あるいはニキビと合併している場合が多いので認知されにくいのです。

顔のほてり、乾燥と酒さ

顔がほてるとか、顔が乾燥するといった方の大部分は酒さが原因なのです。顔の乾燥肌と酒さの関係について更に詳しく述べますと、乾燥肌というのは皮膚の保湿成分が足りなくてできると一般に考えられているのですが、顔という部位は保湿と関係ある皮脂の分泌が盛んな部位なので、よほど高齢の方でないと保湿成分が足りなくて乾燥するということは考えにくいのです。特に他の部位は問題なく、顔だけが乾燥するという場合は、保湿が足りないのではなく酒さが関係することが多いのです。何故、酒さがあると乾燥につながるかといえば、顔にできる酒さの紅斑は熱を帯びているために、顔の皮膚の水分が蒸発し、皮膚が乾燥するのです。こういった状況では保湿剤を塗るとさらに熱がこもり、さらに顔の乾燥がひどくなるのです。顔が乾燥するので保湿剤の入った化粧品を使うとさらに乾燥がひどくなるということを経験された女性も多いことでしょう。これについては皮膚科医の多くも知らないのです。

酒さの治療

酒さの治療としてはテトラサイクリン系の抗生物質の内服やメトロニダゾールの内服が挙げられますが、いずれもニキビ様のぶつぶつに有効な薬剤であり、びまん性の紅斑への効果は劣るとされていました。私は1995年に従来はニキビに効果があるとされてきた漢方薬、十味敗毒湯が酒さのびまん性紅斑に著効を示すことを始めて報告しました(1)。現在に至るまで、少なくとも1,000人以上の酒さの患者さまに処方し、90%以上の症例で投与後7日以内に、顔のびまん性紅斑が著明に改善しました。

十味敗湯が酒さの紅斑に非常に効くということは、残念ながら皮膚科の医師の間でも未だあまり知られていませんが、最近ライフサイエンス社が作成した皮膚科漢方10処方という小冊子では紹介されています。当院ではロージークリームという自家製の薬が大変効果をだしております。

ロイヤルローズクリーム

『酒さ』『赤ら顔』『刺激性皮膚炎』『超敏感肌』などのお悩みで、本院に通院されている方
漢方治療を続けながら、肌につける化粧品類の断捨離…
肌断食をがんばってきたけれど、でもやっぱり「何かお肌につけたい!」「保湿したい!」と願ってきた方々

長年このようなお悩みと向き合い、研究を続けてきた奈津院長が患者さんの皮膚症状に効果があり、そして安心して使用していただけるクリームを作成しました。
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10g入り 2,300円(税込)

顔の湿疹や顔のアトピー性皮膚炎と酒さの関係

顔の湿疹や顔のアトピー性皮膚炎の多くは酒さと合併しており、酒さによって顔の湿疹やアトピー性皮膚炎が誘発されるものと私は考えています。誘発されるメカニズムとしては、酒さのびまん性紅斑のために、皮膚が熱を帯び皮膚の水分が蒸発して皮膚が乾燥し、湿疹やアトピー性皮膚炎を生じてくるものと私は考えています。ですから、こういった酒さが合併した顔の湿疹や顔のアトピー性皮膚炎を治すには、まず十味敗毒湯の内服により酒さのびまん性紅斑を治療する必要があると私は考えています。

この件についてははこのホームページのアトピー性皮膚炎の項目を参照してください。

酒さと酒さ様皮膚炎について

酒さ様皮膚炎(ステロイド酒さ)という病気は顔に長期間ステロイドを塗り続けると起こってくる副作用とされ、酒さに似た顔のびまん性紅斑やニキビ様のぶつぶつ(丘疹、膿疱)といった酒さによく似た症状を示し、ステロイドを塗るのを中止すると、症状の一過性の増悪の後に治るとされています。また、一般に酒さ様皮膚炎は酒さと関係ない独立した病態であるとされています(酒さの素因がある人にステロイドを塗ると酒さ様皮膚炎が起こると言っている人もいます)。私は、酒さ様皮膚炎というのは既に存在する酒さがステロイドの外用によって修飾、増悪したものと考えています。酒さ様皮膚炎は顔にステロイドを塗り続けて起こる単純な副作用ではありません。ステロイドを塗り続けるとステロイド座瘡といって、酒さとは異なり紅斑は生じないで、ニキビ様のぶつぶつ(丘疹、膿疱)のみができる副作用が生じるのですが、同じようにステロイドを塗り続けても、どうして酒さ様皮膚炎ができる人とステロイド座瘡ができる人に分かれるのか、酒さ様皮膚炎が顔にステロイドを塗り続けて起こる単純な副作用と考えると説明ができないのです。酒さ様皮膚炎は、酒さにステロイドを塗り続けて酒さが修飾され、増悪して酒さ様皮膚炎になると考える方がはるかに合理的です。先に述べましたように、酒さは軽い症状が多く、湿疹やアトピー性皮膚炎と合併することが多いので、酒さの合併に気づかず、酒さ様皮膚炎(ステロイド酒さ)はステロイド塗布による副作用とされたのでしょう。また最近プロトピック軟膏(免疫抑制剤)を顔に使って酒さ様皮膚炎ができるという報告がなされていますが、これについても酒さがプロトピック軟膏で修飾され悪化したものだと考えれば、容易に説明できるのです。

(1)中西孝文 漢方診療 1,995,14、p30

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