人間のからだは、暑さや運動によって体温が上がりすぎることを防ぐため、必要に応じて汗をかき、かいた汗の蒸発とともに熱を発散するようにできています。
また、精神的な緊張やストレスも発汗の原因となります。多汗症の症状があらわれやすいのは、手のひらや足の裏、ワキの下、額など、汗腺が密集している部位です。
多汗症に悩む人は、思春期から中年世代までの社会的活動が盛んな年代に多いといわれています。男女の比率はほぼ同等です。
明らかな原因が存在しない「原発性多汗症」と、何らかの病気や使用している薬が原因となる「続発性多汗症」に分けられます。続発性多汗症は、原因となる病気を先に治療する必要があります。
神経を切断する手術などがあり、種類によっては健康保険が使えます。
わきがの手術をすることにより一部の汗は抑えられます。
塩化アルミニウムなどを有効成分とする薬をワキの下に塗ります。毎日塗布を続けることで、徐々に効果があらわれます。持続期間が短く(数日~数週)反復して使用します。・・これは医療機関でもらうことができます。
ボツリヌス菌がつくる天然のたんぱく質を有効成分とする薬をワキの下に注射します。
注射にかかる時間は5~10分程度です。(診断や検査の時間を除く)
1回注射すると効果が4~9ヶ月持続するので、年に1~2回程度の治療で汗を抑えることができます。
重度の原発性腋窩多汗症であれば、健康保険が使えるようになりました。
抗コリン薬や漢方薬が多汗症の治療薬として承認されています。
塗り薬や注射薬と異なり、広い範囲に効果を及ぼすことが特徴です。
診療ガイドラインでは、塗り薬・イオントフォレーシス・注射薬が効かない場合や、これらの治療を実施できない場合に試みてよい治療と位置づけられています。
神経ブロック、レーザー療法、精神(心理)療法などがあります。
イオントフォレーシス(電気イオンの作用を使った機械で、治しにくい手汗、足汗の治療をしています)
Perspirexは制汗剤であり、市販のデオドラント剤やほとんどの制汗剤とは作用が異なります。
主要成分である塩化アルミニウムが汗腺内の水と反応し、水酸化塩化アルミニウムを産生します。
これが皮膚上層の細胞のケラチンと一緒になって汗腺内に栓を形成します。
Perspirex | 一般的なデオドラント剤 | |
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1回の使用で3~5日間発汗および臭いを抑制 | ○ | × |
週に2~3回の使用 | ○ | × |
1本で3ヵ月以上使用できる | ○ | × |
無香料 | ○ | × |
衣類に色移りしない | ○ | × |
日常生活を送りながら制汗できる | ○ | × |
水を含まないエタノール製剤です。このため、形成された角栓を汗腺内の「より深部」まで運び、維持することができます。市販されている他の制汗剤のほとんどは水を含有しており、そのために塩化アルミニウムと水の反応が誘発されて塩酸が生成され、効果が低減します。
主成分である塩化アルミニウムは汗腺内の水と反応し、腺内深部に角栓を形成します。この栓が汗腺を密閉し、汗の産生を一時的に中断させます。しかし、角栓は永続的な栓ではありません。
皮膚表面の古くなった細胞の剥離に伴って、角栓は排出され、汗腺は再活性化します。この過程は2~7日周期で生じるため、Perspirexの使用頻度は週に2~3回のみとなります。
わき用:5,500円
手足用:6,050円