ダーモスコピーという皮膚をみる専用の機械があり、これで形状、色調などから良性、あるいは悪性が考えられるのかなどを診察したうえで、より傷跡の少ない治療方法を考えてゆきます。小手術であれば、日帰りで手術することが可能です。
日帰り手術の手術時間は短いもので5~10分で済みます。局所麻酔がチクっと痛みますが、術中の痛みはありません。
切除になりますと、事前に感染症がないかの採血を行いますので、当日の施術はできません。
手術日は別途予約となります。採血費用は3割負担の方で3,000円ほどです。
当院では粉瘤(ニキビの親玉、おできともいう)などの手術をされに来られる方が多いです。これらは切除しない限りなくなるということはなく、徐々に大きくなってしまいます。またこれが感染しますと感染性粉瘤になり、痛み、熱感を引き起こします。手術は傷跡をできるだけ小さくするために、くりぬき法(粉瘤が皮膚に開口している部分をくりぬき、切り口を小さくする)を基本として行っております。
粉瘤は、けが、傷、毛穴のつまりなどがきっかけ、またはウイルス感染が最初ともいわれていますが、何らかの原因により皮膚の中に袋が形成されてしまう病気です。初めは小さな袋なのですが、徐々に内部に角質、皮脂が貯留し、大きくなっていきます。
貯留したものが排出されたときには、くさいにおいがすることがあります。またそこに細菌感染が起こると炎症がおこり、痛みが生じます。
粉瘤は皮膚腫瘍なので、これを治したければ外科的に切除するしかありません。粉瘤の手術は粉瘤の上の皮膚を紡錘形に切開し、粉瘤を取り除き縫い合わせるという方法が普通に行われます。この方法は粉瘤の取り残しが少ないですが、傷は粉瘤の直径サイズに薄く残ります。
傷を少しでも小さくするために、当院においてはまず可能な限り、くりぬき法という治療法を行っています。粉瘤に小さな穴をあけ、そこから内容物をしぼりだしたあとに、しぼんだ粉瘤の袋を抜き取る方法です。この方法であれば、傷跡が極めて少なくすみます。場合によっては縫合しなくてもすむことがあります。
などのメリットがあります。
当院では、粉瘤の患者さまに多く来院していただいており、(治療実績 4016名 [2013年9月末現在])治療に必要な通院回数は患者さまによりさまざまです。粉瘤の症状や、通院の頻度にもよります。
当クリニックの患者さまの平均通院回数は手術当日日を含め3度~4度です。適切な治療、通院を実施していただくことで通院回数をより少なくすることが可能です。
耳に粉瘤のできる方は多発する傾向が多いようです。みみたぶや耳軟骨の近くにもできてしまう方がおられます。
顔に粉瘤のできる方は、やはり徐々に大きくなる腫瘍ですので、大きくなってから切除するのでは傷が少しでも長くなってしまいます。できるだけ小さい間に、しかも上記くりぬき法ができるあいだに(炎症を長く起こしてしまったものはくりぬき法があまり適しません)くりぬき法で手術をお受けになることをお勧めいたします。
身体に粉瘤のできる方は、おしり、鼠蹊部、わきなどの有毛部のことが比較的多いように思われます。恥ずかしがらずに早めにご受診ください。
粉瘤の治療法は、医師が診察し、患者さまの症状に最適な治療法を医師がご提案いたします。
できるだけ傷を小さくされたい方、炎症があまりない方にお勧めです。